終末期ケアの本質──“何かをする”ではなく、“何を外すか”を選ぶ勇気
■ 序章多くの最期に立ち会ってきた私が、今どうしても伝えたいこと動物と共に生きる仕事は、喜びと同じだけ、別れも抱えています。私はこれまで、一般の飼い主さんよりも遥かに多くの動物の「最期」に立ち会ってきました。最期の瞬間に寄り添うという行為は、どれほど経験を重ねても慣れることはありません。むしろ、重ねるほどに、ひとつひとつの命が残していく「温度」と「重さ」は、心に深く沈んでいきます。長年この仕事をしていると、寝たきりになった個体、補助がなければ排泄もできなくなった老齢個体、自力で立つ力さえ残っていない動物たちと同じ時間を過ごす日も多くなります。そこで私が痛いほど学んだのは、「終末期ケアとは“治療の延長”ではなく、その子が苦しまないため…
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