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一時保護で終わらない保護活動とは…傷病鳥獣・飼育放棄動物の長期管理という現実

一時保護で終わらない保護活動とは…傷病鳥獣・飼育放棄動物の長期管理という現実

「助けた、その先にある時間を引き受ける。」
一時では終われない保護が、静かに続いている現場があります。

保護活動の現場では、
「一時保護」という言葉がよく使われます。

事故や衰弱で動けなくなった野生動物。
飼育が続けられなくなり、行き場を失った飼育個体。

一度引き取り、回復させ、
元の環境へ戻す、あるいは新たな行き先を探す。
本来、「一時保護」はそのための言葉でした。

けれど現実には、
その言葉だけでは収まらないケースが少なくありません。


放野できない個体がいる

傷病鳥獣の中には、
治療やケアによって命はつなげても、
自然下での生存が難しくなる個体がいます。

視力や運動機能の低下。
人の生活圏で生きてきたことによる行動の変化。

「生きている=戻せる」ではない。
その判断は、常に慎重さを求められます。


譲渡できない個体もいる

飼育放棄された動物のすべてが、
新しい飼い主に繋がるわけではありません。

高齢。
慢性的な疾患。
特別な管理が必要な体質や性質。

「誰かに任せる」こと自体が、
新たな負担やリスクになる場合もあります。

そうした個体は、
長期的な管理を前提に受け止めるしかない現実があります。


何も起きていない時間を維持する作業

保護の現場では、
劇的な出来事はそう何度も起きません。

むしろ大半は、
何も起きない日を積み重ねる作業です。

体調が安定しているか。
行動に変化はないか。
環境が負担になっていないか。

その確認を、
何年も、同じ精度で続けていく。

それを可能にするのが、
長期使用を前提とした飼育設備と、継続可能な管理体制です。

「一時」ではないからこそ、語りにくい

長期管理は、
派手さも、分かりやすさもありません。

終わりが見えない。
評価されにくい。
成果として語りづらい。

それでも、
誰かが引き受けなければならない現実がある。

「一時保護」という言葉の裏側には、
そうした静かな覚悟が、日常として積み重なっています。