
災害が起きたとき、「ペットを連れて避難できますか?」という問いに、胸を張って「はい」と答えられる場所は、まだ日本にはそう多くありません。特に、犬猫以外のペット──ウサギ、フェレット、小鳥、ハムスター、カメ、トカゲなど──を飼う人たちは、避難先を見つけること自体が困難です。
その一方で、日本各地に点在する「使われていない廃校」や「空き家」といった地域資源が、手つかずのまま放置されています。この2つの課題を同時に解決する新たな提案が、「多種対応型ペット同伴避難所プロジェクト」です。
私たちは、この構想を現実のものとするため、動物福祉・地域活性・防災の観点から徹底的に設計されたモデルを提案します。
ペット同行避難の壁と課題とは?
災害が起きたとき、私たちは命を守るために避難行動を取ります。しかし、日本の現状では「ペットを連れて避難できる場所」がまだまだ限られています。実際に多くの自治体の指定避難所では、衛生面や安全性、他の避難者とのトラブルを懸念し、ペットの同伴を受け入れていないか、やむを得ず「屋外」「車内」「ゲージ隔離」での待機を指示するケースも少なくありません。
その背景には、以下のような複数の課題が存在しています。
1. 公的避難所の受け入れ体制の不備
多くの公的避難所では、動物が入れる専用スペースの確保がされておらず、ペット同行避難を前提とした準備がほとんど進んでいません。避難所の運営スタッフも「どう対応すればいいのか分からない」という状態で、飼い主はペットを連れて行っても門前払いになることがあります。
2. 犬猫以外のペットは“想定外”
犬や猫以外にも、ウサギ、フェレット、ハムスター、小鳥、カメ、トカゲなど、多様なペットが家庭で飼育されていますが、災害時の受け入れを想定したガイドラインは犬猫に偏っており、それ以外の動物は事実上「受け入れ不可」とされることが多いのが現状です。これにより、非犬猫飼育者は避難行動を断念するか、命がけで自宅に残るという選択を迫られます。
3. 鳴き声・臭い・アレルギーなどへの配慮不足
避難所では多数の人が長時間共同生活を送るため、動物の鳴き声や体臭、糞尿、さらには動物アレルギーなどがトラブルの原因になることがあります。これらのリスクを管理・分離する仕組みや知識が現場になければ、ペット同行は「迷惑」として排除されてしまいます。
4. 多頭飼育・高齢動物・介護中ペットの受け入れ困難
1世帯1匹まで、リード必須、トイレ持参など厳しいルールが定められている場所もあり、多頭飼育者や介護が必要な動物、障がいのある動物を連れての避難は極めて困難です。こうした「家庭によって異なる飼育環境」に対応できる柔軟な受け皿が必要です。
5. 飼い主の知識不足と周囲の理解不足
いざ避難というときに備えて、クレートトレーニングや持ち出し用品の準備、マイクロチップ登録などを日頃から行っていないと、円滑な避難ができません。また、ペットを飼っていない人にとっては「動物は二の次」と捉えられがちで、飼い主が孤立してしまうケースもあります。
こうした課題を一つひとつ解決するには、「ペット同行避難」を最初から想定した施設と運営体制の整備が不可欠です。そこで注目されるのが、全国各地に残る廃校を活用した新たな避難所モデルです。

廃校を活かす「ペット同伴避難所」の新モデル
ペット同行避難の課題が山積する中で、注目を集めているのが「廃校」を活用した新たな避難所モデルです。全国には少子化や統廃合の影響で使われなくなった小中学校、高校などが数多く存在しており、その多くが設備や敷地を保持したまま、地域資源として眠っています。
廃校の最大の魅力は、避難所として必要な「広さ」と「分割可能な空間」を備えている点にあります。たとえば、旧教室を種別ごとにゾーニングすれば、犬、猫、小動物、鳥類、爬虫類など、多様なペットを安心して隔離・保護することができます。また、校庭や体育館などの広大な屋内外スペースは、大型犬や多頭飼育世帯にも対応でき、ストレスの少ない環境を作るうえで非常に有利です。
さらに、廃校施設には職員室や保健室、理科室など、用途に応じた設備がそのまま残っていることも多く、応急処置の拠点や温度管理が必要なペットの避難スペースとして活用できます。トイレや給水施設などのインフラも基本的に整備されているため、一定の修繕を行えばすぐにでも避難所として機能させることが可能です。
私たちが提案する多種対応型ペット避難所モデルでは、以下のようなゾーニングと設計が基本となります:
教室棟:犬猫・小動物・鳥類・爬虫類などを、特性に応じて個別に分けた避難室
理科室・準備室:温湿度管理が必要な生体や療養中のペットのための隔離スペース
校庭:散歩用リードエリア、簡易トイレ設置、屋外リフレッシュゾーン
体育館:大型犬・多頭飼育向けの共用スペース(ケージや間仕切り対応)
保健室・職員室:飼い主とペットのカウンセリング、一次避難支援の拠点として活用
この構造に加え、動物行動学や動物福祉に精通した専門家の監修により、動物たちのストレス軽減や交差感染の防止、適切な飼育環境の維持がなされる設計となっています。さらに、施設内の騒音対策、動線の分離、空調の最適化といった点にも配慮し、避難する飼い主にも動物にもやさしい空間を目指しています。
また、廃校を利用したこの新モデルは、地域住民にとっても新たなコミュニティ拠点としての機能を担うことが可能です。平時は保護動物カフェや災害教育の場として運用し、災害時には迅速にペット同行避難所へと転用する“二刀流運営”を実現します。
ただし、こうした廃校を利用するにあたっては、いくつかの現実的な課題にも直面します。たとえば、老朽化による耐震性の懸念、インフラ設備の劣化、使用目的変更に伴う法的な整備などです。これらの問題をクリアにしなければ、安全な避難所として機能させることはできません。
次の章では、廃校利用におけるこれらのデメリットと、それにどう対応すべきかについて、具体的な方策とともに解説していきます。未来の「命を守る拠点」として廃校を活かすために、現実に即した対策が今、求められています。

廃校利用のデメリットとその対策
廃校を活用したペット同伴避難所モデルは、空間の自由度や地域資源としての可能性から見れば非常に魅力的です。しかし一方で、その多くは長年使用されていないため、災害時に安全かつ安心して使用するには、いくつかのハードルが存在します。避難所として機能させるためには、事前にこれらの課題を認識し、計画的に対処しておくことが不可欠です。
■ 課題1:老朽化と耐震性の問題
最も大きな懸念は、建物の老朽化です。多くの廃校は築40年以上が経過しており、現行の耐震基準に適合していない可能性があります。特に避難所として使用する場合、災害発生直後に新たな被害を招かないよう、「建物の安全性」は第一に確認すべき要素です。
【対策】
専門業者による事前の耐震診断を行い、必要に応じて補強工事を実施
すべてのエリアを使用するのではなく、安全が確認された一部エリアのみを避難所として使用
大型犬用スペースや運動スペースについては屋外に仮設テントを設けるなど、建物の使用負担を分散する工夫
また、平時から防災拠点として使うことで、地域や関係者の間で建物の状態を日常的に管理する体制を築くことができます。
■ 課題2:衛生環境とインフラ設備の劣化
長期間使用されていなかった建物は、内部の劣化が進んでいることが多く、水道・電気・空調といったライフラインも停止している可能性があります。加えて、カビや害虫、野生動物の侵入など、ペットを受け入れる上で衛生面の課題が顕著です。
【対策】
使用前に建物全体の徹底した清掃、除菌、防虫・防獣対策を実施
給水タンク、簡易トイレ、ポータブル空調など仮設インフラを常備
平時から月1〜2回の定期点検を行い、災害時に即対応できる状態を維持
地域の衛生管理業者や防災NPOとの連携体制を整備
これにより、災害時の混乱を最小限に抑えるだけでなく、ペットと飼い主のストレスを軽減し、安全な滞在を実現します。
■ 課題3:法的整備と避難所としての認可
廃校を避難所として運用する場合、建築基準法や消防法、動物愛護管理法など、複数の法的条件を満たす必要があります。また、自治体との協定がないまま運用することは、緊急時の受け入れに支障をきたす恐れがあります。
【対策】
施設用途の変更について自治体と事前協議を行い、柔軟な協定避難所としての位置づけを確保
指定避難所とは別枠で“ペット同伴専用の福祉避難所”としての登録を目指す
火災報知機、避難経路、消火器設置など基本的な防災設備の整備
ペット受け入れ時のマナーやトラブル対応マニュアルを整備し、地域とも共有
こうした整備により、災害発生時に自治体が速やかに活用できる“受け皿”として、現実的に機能する体制を構築できます。
廃校には魅力と同時に課題も多く存在しますが、それら一つ一つに対処することで、「災害時にペットと安全に過ごせる場所」としての信頼を築くことができます。次章では、こうした施設を単なる避難拠点にとどめず、平時から有効活用する“二刀流”運営の可能性について、さらに深掘りしていきます。
平時×非常時の“二刀流運営”で持続可能に
廃校や空き施設をペット同伴避難所として活用する構想は、単なる「防災対策」にとどまりません。重要なのは、非常時のためだけに施設を整えるのではなく、平時から有効に活用しながら、防災機能を兼ね備える拠点として運営することです。この“二刀流”の運営モデルこそが、持続可能な施設の鍵を握ります。
例えば、通常時には地域のコミュニティスペースや動物福祉の拠点として運営し、災害時には即座に避難所として切り替えるという柔軟な使い方が可能です。廃校の教室を活かして、保護犬・保護猫の一時預かりや譲渡会の場にしたり、災害時の備蓄品を保管しておく倉庫に転用したりと、多様な機能を組み合わせることで、施設の価値と役割は格段に広がります。
また、地元住民が気軽に集える場所とすることで、施設そのものが地域に根ざした存在となり、非常時にもスムーズに連携が取れる「顔の見える関係性」を築くことができます。動物を通じた地域交流イベントや命の授業、ワークショップなどを企画することで、子どもから高齢者までが足を運ぶきっかけが生まれ、防災教育や動物福祉への理解促進にもつながります。
この“日常の延長線上にある防災”という視点は、従来の「ただ備える」避難所から一歩進んだ発想であり、地域のレジリエンス(災害対応力)を高めるうえでも重要です。さらに、こうした施設が自治体だけでなく、民間企業やNPO、動物専門機関などと連携することで、資金面・運営面でも安定性が生まれます。
たとえば、保護犬猫カフェを併設することで日々の運営費を確保したり、ふるさと納税型の支援やクラウドファンディングを活用して、改修や維持管理の資金を調達したりすることも可能です。CSR活動に積極的な企業との協働により、地域貢献の場として継続的な支援を得ることもできるでしょう。
このように、「防災×福祉×地域活性」の三位一体モデルとして機能することが、廃校再活用の最大の価値となります。そして、このモデルを成功させるには、施設の設計や運用体制、関わる人材の専門性が極めて重要です。
次章では、この“命を守る拠点”を現実のものとするために、どのような設計思想と運営体制が必要なのかを詳しく解説します。単なるアイデアにとどまらず、実現可能なモデルとして、地域の中に根付かせていくための道筋を具体的に見ていきましょう。
実現に向けた施設づくりと運営体制
“ペットと共に避難できる場所を”という理想を、単なる構想に終わらせず、具体的に社会に実装していくためには、しっかりとした施設設計と、持続可能な運営体制の構築が不可欠です。とくにペット同行避難所のような特殊な施設では、「ただ動物を受け入れられる空間」であるだけでは不十分であり、人と動物の双方が安全・安心に過ごせるように配慮された設計が求められます。
まず建築設計面においては、犬猫だけでなく小動物・鳥類・爬虫類など多種多様なペットに対応できるよう、ゾーニング(動物種別のエリア分け)が鍵になります。音やにおいに敏感な動物たちのストレスを最小限に抑えるためには、防音性能や換気設備の工夫、空調の独立管理なども必要です。加えて、怪我や感染を防ぐために、清潔で滑りにくい床材、洗いやすい壁面、衛生管理しやすいレイアウト設計も重要となります。
また、災害時は高齢者や障がい者がペットとともに避難するケースも多く想定されるため、段差をなくしたバリアフリー設計や、補助具を使用しやすいスペースの確保も考慮すべきです。多頭飼育や大型犬の飼育者向けに広めのスペースを用意するなど、柔軟な対応力も求められます。
こうした設計や仕様を支えるのは、「人」の存在です。運営においては、動物福祉に対する正しい知識と理解を持ったスタッフの育成が不可欠であり、動物行動学に基づいた対応ができる体制を整えることが、避難所としての信頼性を高める要素となります。特に、動物のストレス反応やパニック時の行動を理解し、適切に対処できる人材の確保と育成は、施設の運営を支える基盤と言えるでしょう。
このためには、獣医師やトレーナー、動物プロダクション、NPOなどとの継続的なパートナーシップを構築し、各専門分野のノウハウを施設運営に反映させていくことが重要です。地域住民やボランティア、ペット関連業者との連携によって、災害時だけでなく平時のイベント運営や啓発活動にも広がりが生まれます。
こうした施設と人材の組み合わせは、防災という枠を超え、動物福祉と地域づくりを結びつける力を持っています。廃校や空き家などの既存資源を再生し、「命を守るインフラ」として再定義していく過程そのものが、地域全体にとっての価値となるのです。
とはいえ、これほど多機能で柔軟な施設を持続的に維持していくには、収益構造の確立が不可欠です。次章では、この避難所モデルが地域に根付き、かつ自立して運営されていくために欠かせない「収益化の仕組み」と「複合ビジネスモデル」について、具体的な手法を交えながらご紹介します。

収益化・維持運営のための複合ビジネスモデル
どれほど理想的な設計と運営体制が整っていても、施設が持続的に機能するには経済的な裏付けが必要不可欠です。とくに廃校や空き施設を活用した避難所モデルは、初期改修費や設備投資、スタッフの人件費など、一定の固定コストが発生します。こうした課題を乗り越えるためには、「防災」と「地域活性」「動物福祉」を一体化した複合的なビジネスモデルを設計する必要があります。
まず、平時における施設活用の一例として挙げられるのが、「保護犬・保護猫カフェ」の運営です。カフェスペースと譲渡拠点を併設することで、保護活動の場として地域に貢献しながら、来訪者からの売上を通じて運営資金を確保することができます。ここに、動物とふれあえる体験型ワークショップや命の授業、防災学習を取り入れることで、子どもたちやファミリー層を巻き込んだ教育的価値も提供可能です。
また、物販スペースを活用し、地元の特産品やオリジナルのペットグッズ、被災地支援につながるチャリティーアイテムなどを販売することも、収益性を高める有効な手段となります。クラフト体験やスタンプラリーなどの地域イベントと組み合わせることで、リピーター獲得や観光誘致のツールとしても機能します。
資金調達面では、クラウドファンディングやふるさと納税型の支援、企業によるCSR・SDGs連携による寄付型モデルの導入が効果的です。特に、ペット防災や動物福祉の観点から社会性の高い取り組みであることを訴求すれば、企業からの協賛や自治体からの補助金を得ることも現実的です。自治体との連携により“福祉避難所”や“動物同行避難所”として正式に協定を結ぶことができれば、平時の啓発事業にも公的資金を活用できる可能性が広がります。
さらに、ペット共生をテーマにした体験型観光コンテンツ──たとえば「愛犬と泊まれる宿泊体験」「犬猫譲渡希望者向けの一泊体験」「自然散策+防災学習を組み合わせた週末リトリート」など──をパッケージ化することで、他施設との差別化を図ることも可能です。これにより、単なる避難所の枠を超え、地域全体に経済的な波及効果をもたらす観光資源としても成立させることができます。
このように、平時と非常時それぞれのニーズに応じて施設を運営し、複数の収益源を持つことで、運営負担の偏りを避け、柔軟で安定した体制を築くことが可能になります。
防災、福祉、教育、観光──それぞれの視点が結び合ったこの複合型モデルこそ、今後の社会が必要とする「命と地域の未来を支えるインフラ」なのです。
そしてこの未来型インフラの構築こそが、私たち一人ひとりの意識と行動から始まります。次章では、空き施設という地域資源を起点に、どのようにして“命を守る拠点”を築いていけるのかを、もう一度まとめとして見つめ直していきます。

こうした複合的な収益モデルは、「防災拠点でありながら、地域経済にも貢献する施設」を実現するための最も現実的な道です。動物福祉、教育、観光、地域振興の各要素を縦割りにせず、一つの拠点で統合的に運用することで、平時も非常時も無駄のない持続可能な運営が可能となります。
例えば、平時にはペットとふれあえる保護動物カフェや防災学習施設として、地域住民や観光客の交流の場となります。保護動物の譲渡会や犬猫の一時預かり、老犬の介護体験、アニマルセラピーの研修など、多様なコンテンツを組み合わせることで施設自体の稼働率を高め、日常的に“命を学ぶ場”として活用されるのです。
また、災害が起きた際には、そのまま避難所として即時稼働可能な状態を維持していることが大きな強みです。仮設ではなく、常設の設備として備わっている空調・水道・衛生環境・動物ゾーンなどが、災害時の迅速な受け入れを支えるのです。スタッフも日常的に施設運営に関わっているため、緊急時でも対応スキルを持ち、混乱を最小限に抑えることができます。
さらに、企業CSRとの連携によって資金面でも安定した運営が可能です。動物福祉・地域貢献・防災といった社会性の高いテーマであることから、企業にとってもブランドイメージ向上の一環として投資しやすい分野です。クラウドファンディングや補助金申請においても、感情的に支持されやすく、多くの共感と支援を集める可能性を秘めています。
こうした全体設計により、「空き施設だからできること」「地域だからこそできること」を最大限に活かし、持続可能な命の拠点へと昇華させていく。このプロジェクトの本質は、「単なる施設再生」や「防災の強化」だけにとどまらず、“命のつながり”そのものを地域資源で育んでいくことにあります。
そして今、災害大国と呼ばれるこの日本で、動物と共に生きることを本気で考えたとき、最も問われているのは「どこで、どう守るのか」という問いです。
だからこそ次に私たちが見つめるべきは、こうした理想をどこで、どのように始めるのか――そう、「空き施設」という地域に埋もれた資産を、命のセーフティネットとして再定義することです。

【 実話:一緒に避難できなかった“ココ”の物語 】
2020年7月。九州地方を襲った豪雨災害。熊本県球磨村では、多くの住宅やインフラが濁流に飲まれました。
その中に、柴犬の“ココ”と暮らしていた一人暮らしのご高齢女性がいました。避難指示が出たとき、彼女は近所の避難所へ急いで向かいました。しかし、避難所の入り口でこう言われたのです。
「動物は入れません。外につないでください。」
豪雨と土砂崩れが続く中、愛犬を外につないでおくことはどうしてもできなかった彼女は、そのまま家へ引き返しました。「ココと一緒じゃないと、生きていても意味がない」と語ったその言葉は、災害ボランティアとして現地入りしていた動物支援団体のスタッフの心に強く残りました。
幸いにもその後、スタッフの支援で安全な一時避難所が用意され、彼女とココは一緒に過ごすことができました。しかし、避難できなかった初動の48時間は命を危険にさらすものでした。
「一緒に避難できる場所が最初からあれば、私も、ココも、もっと安心できたと思う。」
この体験は、ペット同行避難の重要性を改めて突きつけるものでした。災害は、人と動物、どちらかを選ばせるような問いをしてくる。そんな選択を、もう誰にもさせない社会へ──このプロジェクトは、そうした声に応える取り組みです。
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